3076あいホール 255

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取引メモ

3076あいホール

買い2707
ここは動きが少ない



参照引用

一瞬で自分を変える法  アンソニー・ロビンス


よぼよぼの老人が。巨匠”に変身する瞬間

カズンズがカザルスと会ったのは、巨匠の九十歳の誕生日の直前だった。

カザルスが苦労しいしい起き上がる様子は、
見ていて胸が痛んだという。
関節炎で弱っていて、
一人では着替えもできなかった。
肺気腫のため、息をするのもつらそうで、
歩く時は前屈みで足を引きずるようにしていた。

手は腫れ上り、指は固まり、非常に年老いて、疲れ果てて見えた。

食事の前に、カザルスはピアノのところへ行った。

カザルスはピアノの腕もすばらしかった。
四苦八苦して、ピアノの椅子に腰を下ろしたものの、

腫れ上がって、固まった手を鍵盤の上に
載せるだけでもひと苦労だった。

ところが、その時、奇跡が起こった。
カザルスは、カズンズが見ている目の前で突然変貌を
遂げたのだ

カザルスの身体に力がみなぎった。
そして健康体で、力もあり、柔軟性もそなえ
たピアニストにしかできないような演奏を始めたのだ。

カズンズの言葉を借りれば、

「指がゆっくりと開き、太陽に向かってつぼみが伸びていくかのように、
指が鍵盤に向かって伸びていった。
背筋はピンと伸び、呼吸も楽になったようだった」


ピアノを弾きたいという思いによって、精神状態が百八十度変化し、

肉体も同じように変化して、その機能を取り戻した。

カザルスは、バッハの平均率クラヴィーアを
感受性豊かに弾きこなし、
続いてブラームスのコンチェルトを弾き始めた。
その指は鍵盤の上を舞っているようだった。


「彼の身体は音楽と一体化していた。

もはや縮こまって、こわばった肉体は消え失せ、

関節炎の痛みから完全に解放された柔軟で優雅な肉体がそこにあった」


ピアノを弾いた後の彼は、弾く前とはまったく別人のようだった。

まっすぐに立ち、背すじも伸びて、足を引きずることもなくなっていた。

歩いてテーブルにつくと、心ゆくまで朝食を味わい、
海岸の散歩に出かけた。


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