心が亡びる状態は、655

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参照引用

三浦綾子366のことば   森下辰衛


信夫は、特に人間として生まれたということを、大事に心に受けとめて、真の人間になるために、格別の努力を為されたい。       
                       (『塩狩峠』)


「建物は土台が大事だ。どんな立派な材料を使おうと、ていねいな細工をしようと、土台がゆるんでいりゃあ、その家はすぐにぐらつく。
風が吹きや倒れる。
土台というものは大切なもんだ。
人間の生活も、真実という土台の上に建てなきゃなあ」
                             (『天北原野』)


〈舌を制し得る人は一人もいない〉然り。
人間誰しも、言わねばよかった、という悔いに苛まれなかった者はいない。
                          (『北国日記』)


さあ胸を張ろうではないか。 そして、「わたしはこう生きて来ました。私の生き方を見てください」といえる生き方を、きょうからしようではないか。
                         (『孤独のとなり』)


人間はその時点、その時点でものを考える。
非常に辛い思いをしている時は、その辛さが永遠につづくように錯覚する。
……袋小路に追いこまれたと思った時、誰かが玄関の戸を開けて、裏庭に逃れさせてくれるというハプユングがあるものだ。
だが私たちは頑なに、自分の未来は自分で拓く、という傲慢な思いにしがみついている。
                     (『明日のあなたへ』)


人間は、人問を頼りにして生きている限り、ほんとうの生き方はできませんからね。
神に頼ることに決心するのですね」  
                           (『道ありき』)



人生における出来事は、たいてい突如として起こるのですな。
この「突如」に対応するには、日頃の人生に対する考えの深浅が勝負を決めるようです。
                          (『夕あり朝あり』)


九つまで満ち足りていて、十のうち一つだけしか不満がない時でさえ、人間はまずその不満を真っ先に口から出し、文句を言いつづけるものなのだ。 
自分を顧みてつくづくそう思う。
なぜわたしたちは不満を後まわしにし、感謝すべきことを先に言わないの
だろう。              『明日のあなたへ』



忙しいという字は、ごらんの通り心が亡びると書く。
心が亡びる状態は、人間として最も恐ろしい状態ではないだろうか。                          (『あさっての風』)



自分の弱点、欠点に気づく能力、それは光を見つめる人だけに与えられる。
光はすべてを照らすからだ。
                   (『北国日記』)


お互いはお互いの鏡です。
こちらが冷たい顔をすれば、相手も敏感に感じて冷たくなります。
心の底からにっこり笑えば、相手もそのあたたかさに感じて、微笑を返します。 
よほどのへそ曲がりでない限り、人間というものは、そのように反応し合うものだと、わたしは思います。      
                (『小さな郵便車』)


自分の死ぬ時だって、神は最もよい時をえらんでくださるにちがいない。死に方も、死に場所も、わたしを愛してくださる神は、わたしのために一番よいようにしてくださるのだ……。
                     (『生きること、思うこと』)



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